「裏横浜」という言葉を、皆さんは聞いたことがありますか?
実は横浜には「裏横浜」と呼ばれるエリアがあり、実は私もこの「裏横浜」に住む住人の一人です。(横浜東口エリア、高島、平沼、戸部エリアを総称して「裏横浜」と呼んでいます。)
横浜に馴染みがない方は、横浜の何が「表」で何が「裏」なのか?と疑問に思うかもしれませんが、横浜には西口エリアと東口エリアがあります。
西口エリアにはお店や企業が集中していて、いつも人が集まって賑やかな印象がある反面、東口エリアは、今でこそ雰囲気がだいぶ変わってきましたが、以前は住んでいる人が中心で行き来をしていて、西口に比べるとだいぶ静かな印象があるエリアだったんです。
注)でも実は江戸時代まで遡ると、この「裏横浜」エリアは、裏ではなくて、表玄関だったというストーリーが。裏横浜エリアにある「平沼商店街」に通っている道路は、かつて横浜道と呼ばれていて、江戸時代に幕府が鎖国を止めて開港をした神奈川(今の神奈川区神奈川本町付近)と横浜(今の関内付近)を繋ぐ道だったということ。
それから、横浜駅も以前は桜木町駅の辺りにあって、その後、市営地下鉄の高島町あたりに移って、今の位置に移動したという経緯もあったりして、実は横浜の表舞台を支えてきた歴史がある場所というのが、この裏横浜のストーリーとして隠されていたりします。
「これから集まるみんなで良い街を作っていこう!」という想いも込めて、裏横浜にある「ビストロ・フレッシュ」と「リストランテ・リアル」のお店のオーナーさんが「裏横浜」と名付けたのがはじまり。
私はそんなことも知らずに、裏横浜に4年半前に引っ越してきたわけですが、引っ越しの決め手になったのが、横浜駅から徒歩圏にも関わらず閑静で落ち着いているということ、そして、みなとみらいにも行けるという立地の良さでした。
住む期間が長くなるにつれ愛着が湧きすぎて、とにかく「横浜で1日を終えたい!」「電車に乗らずに1日が終わるなんて幸せ過ぎる!」を思って日々過ごしているわけですが、実はこの裏横浜の街を居心地の良い場所に、そして魅力のある街になるようにと、活動をしている団体があるんです。
それが、「裏横浜地域活性化プロジェクト urayoko net」さん。
今回快くインタビューを受けて下さいましたので、地域活性化プロジェクトの裏側、そして、WEBとの関わり・WEBを通じた影響の広がり方について、お聞きしてきました!
今回インタビューさせていただいた方
urayokonet事務局
岡野めぐみさん、馬場千恵子さん
urayokonetを立ち上げた岩谷さんが経営するブランディング会社「株式会社セルディビジョン」でブランドクリエイターとして活躍をしながら、urayokonetの事務局もメインで務めているお二人に、インタビューをさせていだきました!
まさかの事務所が私がほぼ毎日通るエリアで、自宅から徒歩5分の場所にある事務所にお邪魔して、お話しを聞いてきました!
urayokonet立ち上げのきっかけは「幼少期の思い出」×「横浜開港150周年イベント」
ー初めまして!今日はよろしくお願いします。それにしても、すごーく綺麗で広々としたオフィスですね。
こちらこそよろしくお願いします。そうですね、入居するときにリノベーションしたので、結構綺麗な感じの作りになっています。
ーお名刺拝見したんですが、お二人ともクリエイターさんでいらっしゃるんですね。
そうなんです。urayokonetの事務局の仕事もしていますが、本業は株式会社セルディビジョンという代表の岩谷が立ち上げた会社でブランドクリエイターとして働いています。urayokonetはあくまでも、利益目的ではなく地域活性のための団体なので、専任者は特に付けていないんです。
ーなるほど、じゃあお仕事と平行しながら地域活性の活動もされているんですね。そして、よく聞かれる質問だと思いますが、最初に、どういった経緯でこのurayokonetが立ち上がったのか教えていただけないでしょうか?
あ、はい。こちらの岩谷のインタビュー記事がすごくわかりやすく経緯が書いてあるので、良かったら後で読んでみていただくと良いと思うのですが、
▷urayoko starterの記事はこちら
http://urayoko.net/cheer/
岩谷の「やりたい!」という熱い想いからこのurayokonetの活動はスタートしています。
元々、岩谷の父の仕事の都合で、子供の頃から今の裏横浜エリアに来ていて、なんだか人通りも少なくて寂しいなぁと子供心に思っていた記憶があったそうなんですが、きっかけは「Y150」という横浜であった開港イベントだったようなんです。三浦さん、「Y150」って覚えてますか?
ーなんとなく記憶あります。なんか巨大なオブジェありましたよね?
そうです、そうです!
ー当時は横浜に住んでなかったんですが、確か仕事で横浜の企業さんと関わってて、その時にちょうどY150ってやってた気がします。
そのときに、「自分だったらこうしたい!」って色々アイディアが湧いてきたようなんですが、地域のかなり大きなイベントなので、やっぱりそこで声を掛けられるには実績が必要なんですよね。それで、もし次回「Y160」が開催されるときには声をかけられる自分になっていよう!と決意をしたようなんです。
それと同じ時期くらいに、このセルディビジョンの事務所を西口の場所から、今の場所に移転するという話しが出てきて、イベント時に声を掛けてもらえる規模のプラットフォームづくりの準備と、子供の頃によく来ていた裏横浜にまた縁があって戻ってきたということが重なって、で、「街作り、何か出来たら面白いよね!」で、社内で企画が立ち上がったんです。
ーへー、そういった経緯だったんですね!面白そうじゃん!やってみよう!!みたいな。
そんな感じです。だから最初に「やろう!」って話していた頃は、まさかこんなに続くプロジェクトになるとも思っていなくて、気づいたら7年目を迎えていたという感じです。
だから、今のような形で参加いただく飲食店を募ってスタンプラリーをやるっていうのも、「何かやりたいよね!」の後に、みんなでアイディアを出して出てきた企画だったりします。
注釈)urayokonetでは、「1,000円で30店舗飲み歩き」というスタンプラリー企画を立ち上げていて、1,000円のスタンプカードを購入すると、企画に参加している飲食店さんでの飲み物がそれぞれ1杯タダになるんです!(しかも、スタンプを集めると、豪華賞品が抽選で当たるかも!?)
「やりたい!」がきっかけで立ち上がったプロジェクトがなんと7年目に突入!
ー結構、勢いで立ち上がった感じなんですね。
そうですね。
ーそう言えば、一つ気になっていたんですが、このスタンプラリーって、いつも秋口の開催ですよね?これって何か意味があるんですか?あと、確か去年は開催なかったですよね?2年に1回なんでしたっけ?
秋口にスタンプラリーをやっているのは、たまたまです(笑)地域活性のプロジェクト立ち上げてから開催するまで、結構短期間で準備したんですが、夏だと暑いし、12月入ると飲食店さんが忙しくなって、イベントどころではなくなってしまうので、じゃあ、秋にやる?みたいな。
最近は地域イベントとして定着してきて、「毎年やって欲しい」という声もいただくんですが、なんせ本業との兼ね合いも見ながらurayokonetの業務もやっているんで、毎年となるとなかなか大変で(笑)
ーその辺も、緩い感じなんですね(笑)
はい(笑)今年スタンプラリーやったんで、来年ないかもしれないし、あるかもしれないし、なんともわからないところではあります。
ー去年、「今年はスタンプラリーないんだ」と思ってたので、開催がなかった謎が解けました(笑)ありがとうございます。スタンプラリーをやろう!になった時、賛同してくださる飲食店さんってどうやって探されたんですか?突撃訪問的な感じですか?
元々通っていた飲食店さんに最初に声をかけて、その他の飲食店さんは自分たちで開拓していきました。
何回か通ってしっかり趣旨を伝えていくうちに参加して下さる飲食店さんも増えてきて、2年目以降は、委員会を作って各エリアの老舗メンバーが参加をしてくれて、そのおかげで更に参加店舗が増えていきました。今では飲食店さん同士で声をかけて参加店舗が増えていっていますね。
ー参加している飲食店さんが勧めてくれるって嬉しいですね!
そうですね。実際にこのurayokonetのスタンプラリーに参加して良かったという実感がないと、声はかけないですからね。有り難いですね。
ースタンプラリーに参加している飲食店さんからはどんな声が挙がってきますか?
一番多いのが、新規のお客様が増えたという声です。店舗さんによって前後はあると思いますが、おしなべて見ると、イベントをやっていない時期と比べると、売上も10%増しくらいになっていますね。
裏横浜=大人の隠れ家的場所として認知が広がっていく感覚
ーそれはすごいですね!!確かに私も普段通ってて思うんですが、「この店入れるのかな?」とか、「あんな路地裏にある店、大丈夫かしら?」とか、ちょっと不安になる時があります(笑)そういう意味では、urayokonetに参加しているよ!という目印があると、安心して入りやすいですね。
そうですよね。特に裏横浜の場合、ほとんどチェーン店さんってなくて、ほとんどが個人店さんなので、初めて入るのに少し勇気がいる感じですよね。
でも、そのチェーン店がほとんどないという街作りの在り方が、裏横浜のシンボルになっているところがあって、「大人の隠れ家」的な街というイメージから、最近ではこの裏横浜に住んでいる人ではなく、外のエリアから訪れてくれる人たちも増えてきています。
私たちも普段ランチに外に出るんですが、以前は12時過ぎても席空いているお店が多かったのに、今では満席になって入れないお店も出てきていたりするので、明らかに人は増えているなと感じます。
ーおー、外から来て下さる方が増えてるんですか?それは嬉しいです!それでも、ごちゃごちゃうるさい感じに全くならないですよね。落ち着いてて居心地の良い街のままだなと感じてます。
やっぱり個人店さんがメインの閑静な街の作りというのが良いのかもしれませんね。
ーあと、WEB発信に関してもお話しを聞かせていただきたいのですが、WEB・紙のデザイン、またHPやSNSでの発信はどのように展開されていらっしゃるんでしょうか?
WEB媒体と紙媒体は、私たちの本業がクリエイターということと、この場所がクリエイター専門のシェアオフィスにしているということもあって、実は社内のスタッフと、この場所をシェアオフィスにしているクリエイターさんを中心に声をかけて、ビジュアルデザインは作っています。
ーなるほど!既にプロの方たちが揃う環境にあったんですね!
そうなんです。ホームページも同様にスタッフとシェアオフィスを借りている方に声をかけて制作をしています。SNSはFacebookページとツイッターを使用しています。主に使用しているのはFacebookページで、何かのお知らせごとや、新規店舗が出来たときに紹介、食レポ、メディア紹介の実績を載せたりしていますね。
ー食レポや新規店舗の紹介いいですね!!思わず行きたくなる気がします!!
あ、私、最近食レポのために新しいお店を開拓していたりするので、良かったら今度Facebookページ見てください!
地域活性化活動をしていて感じるスマホの力
ーurayokonetが普及していく上で、WEBの力ってどのように感じていらっしゃいますか?
そうですね。以前までは店舗にスタンプラリー実施の際に発行している紙媒体を持って訪れる人が多かったんですが、今年からスマホで参加店舗一覧を見て、店舗に訪れる人が圧倒的に多いようなんです。
そういった変化を目の当たりにして、やっぱりスマホを軸にしたWEB媒体の環境を整えていくことがとても大事だなと感じています。
あとは、urayokonetのホームページへのアクセスが、他サイトからの流入が多く、自分たちで広げるだけではなく、どこかにサイトを紹介してもらう、掲載してもらうことが、urayokonetの認知に更に繋がるということも実感しています。
ーなるほど。スマホの時代ですね。しかし、それだけ如実に変化が出るのは面白いですね。最後に、裏横浜の魅力を教えていただけますか。
はい。裏横浜のスタンプラリーは、毎年やるかは決まっていないが、毎年やって欲しい声は上がっていて、今後、飲食店以外にも広げて、もっと地域の活性化をしていきたいと思っています。
そして、裏横浜の魅力。
それは、「大人の街」「落ち着ける場所」でしょうか。チェーン店が少ないので、人と人との繋がりを感じやすい街ですし、常連さんが多いので、出会いのきっかけになることが多いです。聞いた話しによると、結婚した人もいるとか?カウンターが多く、一人で行きやすいお店が多いので、「大人のこだわりの隠れ家」として、自分のお気に入りのお店を見つけるのも楽しいのではないかと思います。
岡野さん、馬場さん、インタビューへのご協力ありがとうございました!!
まとめ
何か地元と繋がる仕事がしたい。そんな想いがきっかけとなった今回のインタビュー。
住んでいる裏横浜という場所が更に愛着がわき、更に私自身にとっても誇れる場所になりそうで、とても楽しいインタビュー時間となりました。
このインタビューを通じて一番印象に残ったのは、「やりたい!」という気持ちが原動力だったということ。たった一人の「やりたい!」が、こうやって周りを巻き込み、地域のイベントとして定着し、どんどん影響の輪が大きくなっている様子をお話しから感じることが出来て、
「そうだよね、やりたいと思ったらやればいいんだよ!」
と、シンプルで大事なことを教わった気が致します。
自分たちの売上や利益を見ていくことはもちろん大事だけれど、売上・利益には直結しない取り込みを通じて社会に貢献をしていけば、それは「信頼」「信用」という財産を知らず知らずのうちに作ってくれていて、大きなチャンスが舞い込むようになる。
そんな事業をしていく上での大事な考え方・在り方も見せていただいたように思います。
私が住む大好きな街:裏横浜。
urayokonet事務局が主催する今年のスタンプラリーは、11月30日まで開催しています。この機会に「大人の隠れ家:裏横浜」に足を踏み入れてみませんか?
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